バロメーター

「ん、ん…ぅ、や、め……もっ…けー…すけ、さ…」
 息も絶え絶え、拓海がそう懇願しても、啓介は口を休めない。じゅるじゅると卑猥な音を立てながら、拓海の雄を口いっぱいで吸い上げている。
 啓介は、フェラをするのが異様に好きだ。
 拓海は気持ちは良いのだが、自分ばかりイッて恥ずかしいやら申し訳ないやら、とても気が引ける。何度もそれを説明したものの、啓介はそんなの完全無視。
 今日もいつもと同じように、会って始まったのは、まずフェラチオだった。
「も、だめ…い…い、く、イクぅっ…!」
 抑え切れず、拓海が射精。そして啓介は今日も当然のように、それをごくりと飲み込んだ。
「はっ…ぁ…はぁ…」
 荒い呼吸で、拓海は恨めしそうに啓介を見た。
 どうせなら一緒にイキたいという心理を、どうしてこの男はわかってくれないのだろう。
「…うん、今日のはんまい」
 ぺろりと舌舐めずりして、啓介が言った。そのあまりの内容に、拓海は顔を真っ赤にする。
「ん、んなわけないでしょう!」
「いや、濃いー精液って、結構うまみがあるっつーか、オイシイんだぜ? 逆に薄いと、すげー苦い。あと、疲れ過ぎてるときは、ちょっとイマイチ」
「なっ…なななななな…!!!」
「俺と会ってない間、オナニーもしてなかったろ? 溜まってるときの味がする」
 そんな、爽やかに笑って言うことじゃない。拓海は絶句して、口を開いたまま固まった。
「俺、藤原のを飲んだら何でもわかっちゃうんだぜ? もし浮気なんてしよーもんなら、すぐにバレっからな」
 かわいくウィンクをされたが、だから、この濡れ場にふさわしくない。
 唖然としていた拓海だったが、啓介の「浮気」という言葉にムッとして言い返す。
「浮気なんて、しませんよ」
 口を尖らせて言うと、啓介は嬉しそうにきらりと瞳を輝かせた。
「そーだな。俺とのエッチが気持ち良すぎて、他のヤツじゃ物足りないよな?」
「もうっ!! そんなんじゃなくて!」
 怒鳴りつける拓海の唇に、ちゅっと啓介の唇が降りてくる。
「わかってるって。口で言わなくても、いっつも身体で応えてくれっから」
 だからどうしてそう、下ネタばかりで判断するのか。
 このエロオヤジ、と忌々しげに呟いて、拓海はぷいと顔をそむけた。
「そーやってツレない態度をとる藤原が、俺に突っ込まれてあんあん言ってるゾクゾク感、おまえにはわかんねーんだろうなぁ」
 言いながら、啓介がわき腹をそっと撫でてくる。ぴくりと反応を示す拓海を愛しげに見つめ、再びちゅっと軽いキス。
「まじ、ヤミツキ」
 耳に唇が触れて、低い声で言われた。
 恥ずかしいことばかり言われて腹が立ったが、ここで何か言い返しても啓介を喜ばせるだけなのかも知れない。
 拓海は諦めたように目を閉じて、やっと訪れる二人一緒の快感に、素直に身を任せた。


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超ー下ネタですいません…


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